こんばんは!
雨の間隙を縫って久々のナイトクルーズだ。
バイクボックス到着。
タイトル通り、今夜モンキー号の出番はここまで。
どどん!
やらかした。EgO/H明けでもうすぐZが帰ってくる。これから暫く、だる~いだるい慣らし運転にいそしまねばならない。クルマの買い替えどきも迫っている。この絶妙過ぎるタイミングでのバイク増車だ。しかもこの特大の奴。
他は割と倹約家を自認しているのだが、バイクとなるとどうしてこうも見境が無いのか。何より焦ったのは、利用中のバイクボックスにZと2台は収納できない。ワンサイズ広い物件となると、物件数自体がガクッと少なくなる。幸い隣町の宝塚市に1件だけ空きがあり、緊急引っ越しを決め込んだ次第だが、家からの距離はメチャ遠くなった。
行きつけのバイク屋さんで、店頭在庫車の一部が常に点検整備がなされており、レンタルバイクとして利用できる事、年明けにVmax(RP22)をレンタルし「未明クルーズ」を楽しんだ事は以前の記事で書かせて頂いた。
「ハイ、Vマ売りつける気満々ですよ(ニッコリ)!」
スタッフさんのこの言葉通り、お店目線で言えば「レンタル車」ではなく「長めの試乗可能車」という事なのだろう。当然だ。在庫の中古車なのだから。まあその時は上手く逃げおおせたのだが。
先月、モンキーのヘッドライトバルブが切れた。予備は無い。お店に連絡すると、そのまま乗って来るかバルブを外して持って来て欲しいという。何でもホンダのバイクは各部のアップデートが頻繁に行われていて、お店の手持ちの資料だけではなかなか追い付かない面があり、こういった小さなパーツを交換する場合、「現物合わせ」「現物確認」が一番確実なのだとか。
切れた球を外して持参、「ナイトクルーズ」車両である点も考慮し、ハロゲンバルブをフンパツした。ここまでは上出来だったのだが、何気に店内に目をやると、「レンタル対応」のポップを下げた魔神様が。3ヶ月ぶりの対面だ。
何だろう、ほんの短い間レンタルで乗っただけなのに、まるで古い友人にでもバッタリ出会ったかのような懐かしさがこみ上げる。新年午前4時の名神高速、寒かったけど気持ち良かったなあ。
この3ヶ月間、さぞや多くのライダー達を楽しませて来た事だろう。どれ・・・。
何と前の客は私のようだ。3ヶ月間ただ店先で眠っていたと言うのか。これで衝動買いのスイッチが入ってしまった。こんなスゲエ奴、誰も乗らないのなら私が乗ってやろうではないか!
・・・
古いバイクが好きだ。単気筒が好きだ。そして何より自転車感覚の解放感溢れる、小さなバイクが好きだ。こう、天気の良い日にでも、景色を眺めながらゆったりリラックスして乗れる奴が良い。
この私のストライクゾーンからは全く外れているのだが、昔から衝動買いをしては「やってもうたー!」と叫び散らかしているジャンルのバイクがある。それが今回語らせて頂く「直線番長」である。
ドラッグレーサーレプリカ、ストリートドラッガー、海外ではマッスルクルーザー(実はあまりクルージングが得意なバイクではないのだが)等と呼ばれる、アメリカンのような長~い車体に、SSやメガツアラー系のハイパワーユニットを押し込んだ異形のバイクだ。その「イカツさ」を絵に描いたような強面ぶり、興味を持たれるライダーも少なからずいらっしゃるのではないだろうか。
過去にはこれ。
昨年はてなブログを始めて間もない頃、バイクのトリップメーターについて記事を書かせて頂いたが、再登場。その時はメーターのゾロ目がテーマであったため車名は挙げなかったが、ZL900、1985年式カワサキエリミネーター最初期型である(祝、エリミネーター復活!)。
実は最初に入手できたのは「兄貴分」ZL1000なのだがこの兄貴分、アップハンや分厚いシートといった中途半端なカスタマイズの結果、あまりカッチョ良くなく、より尖がった、ドラッグレーサー的デザインの900を見つけ、買い替えたという訳だ。
高校生の頃バイク雑誌のグラビアで衝撃を受けた「憧れの」モデルだ。スパトラにヤフオクでゲットした250SEの中古ビキニカウルといった定番の軽カスタムを施し、それはもう海に山に・・・とはならなかった。
バイクボックスの中で置物、肥やしと化していた時間が遥かに長かった。当時はショベルヘッドも所有していたし、現在同様原チャリや小型車でのお散歩クルーズがバイクライフの柱であった事はもちろんある。
しかしそんな「憧れのマシン」にロクに乗りもせず、所有していた期間も短かった理由、不人気旧車の部品入手難という現実的な問題もあったが・・・
乗りにくい。
イヤ、決して乗りにくいという事はない。しかし航続距離を始め実用性に難がある点と、毛色の変わったモデル特有の、どうもしっくり来ない、腑に落ちない、「何のバイクに乗っているのかよく分からない」違和感のような物が常に付きまとい、それが乗りにくい、取っつきにくいという印象に繋がってしまうのだ。
そして今回、懲りもせずまたまた衝動買いの、このマッスルクルーザーの大将。もう10年もすれば、リッター四発など触る気力体力共に消え失せ、恐らくカブ一択のバイクライフが待っている。まさに私にとってこのジャンルの「アガリ」、仕上げとしてご縁があったという事なのであろう。
Vmax、もし購入する機会があるなら旧型、と思っていた。狂暴な走りとは裏腹の、あの端正でオーソドックスなデザイン、良きかな良きかな、である。しかし私の周囲、暮らしの中に現れたのはRP22の方だった。これもご縁。
年明け、レンタルで乗る限りではニヤニヤと高見の見物ができた、あの扱い切れない大パワーや極悪燃費も、これから上手くやりくりして付き合って行かねばならない。それでは、購入後の満足度があまり高くないにも関わらず、変態ライダーはんぐりーまんを魅了し続けるこのジャンル「直線番長」について、もう少し掘り下げたい。
特に米国で非常に人気のジャンルである事と、人気故の(?)デザインから、見る者に「アメリカンバイク」であるという印象を与える。「違和感」と書かせて頂いたが、まず陥る落とし穴がこれだ。
アメリカン/クルーザーとの共通点たるや、「前後に長い」というただ一点のみ。それ以外、我々ユーザーがアメリカンバイクに求める要素なぞ、何一つ持ってはいない。
キーポイント。
シートとステップの位置関係が分かるよう撮影したつもりだが、伝わるだろうか。
ステップの位置は、シートに跨り自然に足を下したその少し後ろ。膝と足首が少し曲がる感じだ。つまりニーグリップしやすい位置にステップを持って来ているという事。
ライポジとしては、空冷のCBやZ、あるいはSR、エストレアといった古め、ゆるめのロードスポーツ(ネイキッド)そのもの。足をどんと前に投げ出し、「お尻」で乗るクルーザースタイルとは全く別の物だ。
例えばここでイキがって股かっぴらいて乗ろうモノなら、今度は体重が肩に乗ってくる。どうあがいても体重が尻の方に逃げてはくれないのだ。「アメリカンバイク」という先入観で乗ると、まずここで一発ボコられるという訳だ。
そしてキーを捻ると、あのサウンド、フィーリング共にアメリカン/クルーザーとは似ても似つかない目の吊り上がったようなエンジンが息を吹き返す。以降省略するが、なまじ車体デザインが似ている分、アメリカンバイク好きには乗っている間中、常に違和感を覚えるバイクなのだ。
一方、その大柄で重い車体。およそバイク趣味を楽しもうとする時、あらゆる場面で顔を覗かせる車両サイズや重量から来る使い勝手の悪さ、さらにそれをブーストさせる長大なホイールベース。当然だが、操作性は、悪い。
むろん日常使いで問題ないレベルではある。が、走行中峠道に出くわした時など、安全速度内であっても、軽く恐怖感を覚える位車体をバンクさせなければならない場面が時々ある。まあ車体をしっかりホールドできる分楽ではあるが、この辺はハーレー等のヘビー級クルーザーと同じだ。
結局、普段使いに於ては、クルーザーとロードスポーツの悪いとこ取りのようなバイクである。これ紛れもない事実。逆にこの事実こそが、我々変態ライダーを魅了して止まない「キャラクター」となるのだ。
ドラッグレーサーである。
400メートルをフルスロットルで駆ける鬼加速。それにさえ秀でているのなら、乗りにくかろうが燃費が悪かろうが、他の事などどうでも良いのだ。
この一点豪華の割り切り感。或いは乗り手に媚びない「嫌なら乗るな」の孤高感。カッコ良いではないか。例えば草ドラッグレース場など、この手のバイクを楽しむフィールド自体我が国には存在しない、それだけの事。日常での使い勝手の悪さは、大切な性能、キャラの裏返しなのだ。
ニッポン工業製品(?)の大先輩に例えるなら、大戦中、あのB29など大型爆撃機を迎撃すべく、加速力、上昇力一本で開発された「鐘馗」「雷電」といった所か。うん、このずんぐりむっくり感、何となく雷電っぽいな。
この往年の「空の直線番長」も操縦が難しく、当時の日本軍パイロット達から「空飛ぶ棺桶」と呼ばれたそうな。そう「番長」がフレンドリーである必要などないのだ。
・・・
さて、変態ライダーのつぶやきはこれ位にして、どこへ行こうか。
雨上がりの気持ち良さはバイク乗り皆の知る所だが、上がったのがついぞ20~30分ほど前で、路面はがっつりウエットだ。あまり大きなバイクで走り回りたい状況ではない。
走り慣れたいつもの道、ハーバーランドあたりで写真の2~3枚も撮って帰るとしようか。
では出発しよう。
バタバタと「引っ越し」した新しいバイクボックス、この競馬場の近くだ。
正面ゲート。
G1レースも開催され、多くの競馬ファンが訪れる。
道路を挟んでゲートの真向かいに立ち並ぶ、イミシン過ぎるお店。
イヤ、今回の買物含め、バイクで散々散財してきた男だ。競馬で散財した人を嗤うつもりなど毛頭ない。趣味趣味!
今日は40キロで流しても面白くも何ともないバイクなので、43号バイパスは使わず国道2号をそのまま西進する。
で、芦屋市。
この通り路面はまだあちこち水が浮いている状態。泥ハネでもう靴下までビショビショだが、私の足はタコやウオノメができやすく、体質的に硬いブーツやライディングシューズを受け付けないので、これはもう割り切るしかないな。
神戸市到着。
靴もズボンの裾もビショビショだが、やはり雨上がりは気持ちが良い。ここまであっという間だ。
・・・しかし、夜の(昼でも)風景、風情を楽しむには、やはりワタシ的にニーハンから上の大きい奴は不向きかな。どうもこう、大きいバイクは走る事そのものに夢中になってしまって、今回沿道の御影公会堂の写真を撮ろうと思っていたのだが、忘れた。
という事で、あっちゅー間に三宮。
もうここから少し浜側に行けば目的地到着だ。
メリケンパーク到着。
年末にモンキーで訪れた時もそうだったが、このメリケンパークの正面入口、なぜこういつも真っ暗に写るのだろう。
ちなみにこちらはすぐ脇にある公園管理スタッフさんの通用口。
周辺の明るさ等撮影条件は変わらない筈。公園入口付近、何か霊的なこの世ならぬ者でもいらっしゃるのかな。
まあええか。
すぐ先のハーバーランドへ向かう。開けていてバイクも停めやすい。
到着。
何か一泊ツーリングにでも出かけるようないでたちだが、このバイク、シート直下がガソリンタンクで収納スペースは皆無。リュックを背負いたくなかったら、ただの街乗りチョイ乗りでもこの程度の収納グッズは必須だ。
おっ!
久しぶり!
しかしこのイルミ、
人がいないと何やら気味が悪いな。「未知との遭遇」っぽい。
まあせっかく無駄に明るい事だし、もう2、3車体や用品の感想でも述べて、締めるとしよう。
座り心地最高で足つき最悪のシート。
停車時に何と物も置ける幅広座面だ。自分の中での評価はまだ出ていない。
油圧式の割に重いクラッチ。
タップリトルクと遠目のミートポイント、加えてこの車両、社外のショートレバーが付いているため、このように二本掛けでラフに「ズルッと」合わせるのが楽。教科書通りに指四本でむすんでひらいてをやると、ものの小一時間程で左腕がバリバリに張ってくる。
スロットルアシスト。
若い頃は小馬鹿にしていたこの手のヘタレパーツ、最近増える増える。
契約と同時にネットでポチしたガイラシールド。
異形のバイクに異形のシールド。これで逆にスタンダードで落ち着いたルックスになった。マイナス×マイナス=プラスの理屈だ!
車体でも用品でもないのだが、ありがたや~。
午前1時過ぎ、街中でルールを守って一服できる場所は、今はもうこのような個人経営のタバコ屋さんが用意してくれる灰皿だけ。色々大変なご時世ですが、頑張って下さい!!
おっとバイクボックスも遠いし、そろそろ引き上げなくては。やはりナイトクルーズは色んな意味でモンキー一択だな。
読んで頂き、ありがとうございました。