こんばんは!
金曜夜、いつもの阪神尼崎駅前だ。
家からここに到着するまでの間では、トイレもタバコも敢えて用もないのだが、まあナイトクルーズ出発時の楽しい「儀式」のようなモノだ。
今週末、土曜日曜共日中の予報は雨。先週末同様、雨の間隙を突いてのナイトクルーズになる。
そして今夜の「相棒」は、
残業後の疲れた体には拷問のように重いこのバイクだ。
先月貴船神社に参拝した以来乗っていない。コンディション維持のためのライディング、今夜はコイツの番が回って来たという事だ。
この雨の季節、最悪ムーブ号でのナイトクルーズも計画せざるを得ない所だが、雨上がりの空気を満喫できる分、軽四輪よりはマシ、という事で出発しよう。
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衝動買い、と言うか行きつけのバイク屋さんとのやりとりで「成り行き上」購入する事となったこのRP22だが、こうして所有している間に、私の中である「価値」を形成してきている。
それは、「ああ、これでアメリカン・クルーザータイプのバイクはほぼ乗り尽くしたかな。」という「アガリ感」である。
旧車、新型車問わず、どこかピントのズレた珍車や個性的過ぎる異形のモデルに目がない私だが、その意味で、是非一度乗ってみたいと長年思っていたバイクがある。
トラのロケットⅢだ。
あの「異形っぷり」は今見ても充分魅力的だが、乗り味となると、恐らくこのRP22と同系統のモノであろう。実際海外のサイトでは、RP22含めたVmaxとよく比較されているし、乗らずとも容易に推し量れる。笑ってしまうが、イヤ間違いなくコレ系だ。
Vmaxにはない「個性」とくれば、よくインプレ記事等でも紹介される縦クランク車特有の癖だが、それ、もうわざわざ高いお金を出してまで「体験」する程のモノでもなさそうである。
四半世紀、25年もの間愛好したアメリカン・クルーザーの老舗ハーレーダビッドソン。のめり込み過ぎたか、鉄エンジンの旧型車しか波長が合わない事が明確となってしまった。
過去記事でも触れたが、私が「ハーレー乗り」に復帰する可能性は極めて低いであろう。単に大きいバイクが良いなら、わざわざハーレーをチョイスする事もない。現にこうしてここに一台ある。
近年復活を遂げた名門メーカーインディアン。「やればできるじゃん」BMW・R18。興味はそそられるが、やれ環境だ安全対策だと色々小ウルサい昨今、他者(他車)との明確な差別化、このモデルでなければ味わえない絶対的な「味」を盛り込む事は、なかなか難しい状況であろう。
子供の頃一時話題となった、アマゾネスとかいう不細工なバイク。バイク乗りなら瞬時に悟る所であろうが、まあ羊頭狗肉臭プンプンで、あの当時もバイク専門誌よりファッション誌や、私が見た子供向け雑誌等で大きく取り上げられていた。「ハーレーより大きい!」と。
そのアマゾネスだが、確か心臓部には名機VW水平対向空冷四気筒を奢っていたと記憶している。という事はこのRP22、排気量的にアマゾネスと同クラスという事になる。
カスタムバイクのおふざけスペック(良くも悪くも)をサクッと量産してしまう、これが日本メーカーの凄い所で、このRP22、(当然乗った事もないが)アマゾネスと比較した場合のみ、それはそれは都会的でスマートなバイクなのであろう。このように短距離のクルージングでも、引っ張り出そうと思えばできなくはない。
的を得ているかどうかは判らない。一方で少し寂しくもあるが、このように「アメリカン・クルーザー」と言うと、何かこうスッと見渡せるようになってしまった。アガリのサインである。
元々この手のバイクの「売り」であるツーリングユースを重視し、次回このアメリカン・クルーザーを購入するなら、私も皆と同じくレブル250をオーダーするであろう。いってお買い得な500。1100は要らないかな。
楽しいツーリングに於いて、リッターバイクの大パワーは無用と思う。むろんあっても良いが、燃費の悪さに取り回しの悪さ、運転時の緊張感から来る疲労等、どうしてもデメリットの方が勝ってしまう。
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等とブツクサ考えている間に、大阪市内突入だ。本当に大きいバイクで走ると、道中の風情、表情を楽しむ間はあまりない。その分速いが。
阿波座交差点を少し南に越した所にあるサムハラ神社には、当然立ち寄り参拝を済ませた後だ。
谷町筋を南下する。
もうすぐだ。
到着。
今回の目的地、谷町九丁目付近だ。
当地の史跡である生國魂(イククニタマ)神社。地元では「いくたまさん」と呼ばれている。
今回の目的はこの大社さんではない。神社ファン、しかもこのように大鳥居前に迷惑駐輪を決め込んでいる訳で、もし開門していたら、当然ご挨拶代わりの参拝はするつもりであったが。
この大社さん以外、当地に何かあるのかと言われれば、特別紹介すべき物はない。ただ私個人的に非常に印象深い街なので。
過去記事でも何度か触れたが、史跡名勝グルメにイベント、旅の宿等は他の方のブログにお任せします。だいたいツーリング絶景スポットなど、夜行っても真っ暗なだけである。
さて、この街を散策するにあたり、まず一本西の松屋町筋からスタートすると分かりやすい。
通り抜けできなかった。
仕方がない。通りから回ろう。
松屋町筋。
先程の通行止めの柵の向こうが、ここに通じている。
さてこの谷町、松屋町界隈だが、いわゆる「寺町」である。
史跡名勝という程でもない、普通に檀家を取っておられる小さなお寺さんが並んでいる。
よってこの界隈、大阪のド真ん中に位置しながら、昼間に来てもあり得ない程閑静で、落ち着いた風情のあるエリアである。
がしかし、単に「閑静な寺町」で終わらない所が、大阪という街の面白い所だ。谷町へ戻ろう。
おや?この緩い石段の路地、何度か夢に出てきた気がするが、ここであったか!
潜在意識で印象に残った景色か。公園は通行止めだし、どれ、ここを通るとしよう。
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谷町へ戻る。石段の路地を上り切った所だ。
やはりお寺が建ち並んでいるが、その向こう、怪しげなネオンサインがお分かり頂けるだろうか。
さてここから、無用のトラブルを避けるため、通行人を写してはいけない。クルマを写してもいけない。スマホを構えるタイミングにも細心の注意が必要となる。
なんとこれが、先程の生國魂神社正面参道の一本北の通り。
ラブホ街だ。正面の白いプリウス、中に誰も乗っていないのを確認した上でのスマホショットである。
通りを挟みお寺さんと向かい合う、
ラブホだ。
お寺さんの屋根越しの、
ラブホだ。
ラブホには惜しい「威容」だ。少し近付いてみよう。
おおー!!
ホテル「べんきょう部屋」、これ地元兵庫にもあるぞ。
ラブホチェーン!?
一昔前、少なくとも昭和の頃までは、ラブホと言えば仲の良いカップルが利用する施設であり、そこにラブホ(街)があるからと言って、だからどうと言う事もなかった。
だが最近はそうではない。こうしたラブホ街、ホテルと提携している派遣型風俗店も周辺にオフィスを構え、ひしめき合っているのだ。
派遣型風俗店というのは、そこに看板を掲げ客を招き入れている訳ではない。その存在は通りからは伺い知る事はできない。以前訪問した、その花街としての歴史と伝統をむしろ誇るような飛田、松島とは真逆の、このステルス風俗街の姿である。
事実こうしてラブホ街を徘徊しても、仲睦まじく腕組み歩くカップルの姿など殆ど見かける事はない。代わりに目に付くのは、一人で歩くド派手なべっぴんさん。大きなトートバッグを肩に掛け(←アイコン)、常に携帯で何やら話しながら歩いている。恐らく風俗店で働く女性達だ。
そして物欲しげな表情で携帯画面に見入るあまたの男共。風俗情報サイトにでもアクセスしているのであろう。酔客も多く、その光景としてはまさに「風俗街」のそれ。「大阪谷九」と言えば、今ではむしろこちらの方で有名、とも言われている。
非常に閑静かつ落ち着いた雰囲気、そして太閤秀吉在りし頃の歴史や風格も感じさせる一方、この界隈、もう凄まじくガラが悪いのだ。
寺町であるからして、昼間や夕方のまだ早い時間帯だと、当然お寺の住職や法事に参列した人々も普通に通りを行き交っている。それに加えド派手な風俗嬢に客の男達、それにヨッパライである。当地のこの群像、他ではちょっとお目にかかれない組み合わせではないだろうか。
この何でもアリのカオスっぷり、実はこれこそが、「私の好きな大阪」である。清流に魚住まず、だ。
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もう一ヶ所紹介したい場所があり、再び松屋町筋へ。
しかしこうした「エリア」を散策する場合、つくづく原付小型が良い。ニーハン以上の大きい奴になると、駐輪場や先程の大鳥居前参道のような迷惑駐輪に適した場所(失礼)に一旦停めてしまうともう動かせず、こうして延々歩き回るハメになる。
お寺が立ち並ぶエリアを南に抜け、この辺りからだ。
写真右端のお店、「買取り」の文字が見えると思うが、道の両サイドにバイク屋さんが建ち並ぶ、通称「松屋町バイク通り」だ。
関西一円のバイク乗りで知らぬ者はいない。
四輪ディーラーだが、このエリアの「顔」ジロン自動車さん。
ポピュラーな欧州車に加え、モーガンやケータハムといったマニアックな奴も扱う有名なお店だ。
ちょっと暗くなったが写真奥、モーガンいいねえ!
宝クジでも当たったら検討しよう。この車フレームが木枠なので、青空駐車だとキノコが生えるとか。なおさらいいねえ!盛大にキノコ生やしてやろう。
おっ!
ジャイロ系のカスタムで有名なお店だ。
実は前回このバイク通りを訪問した時、まあデフレ不況も真っ最中の頃で、ここもかなり寂しい状況にあった。もちろん歩道にまで並ぶバイク達も見れたが、それ以上に閉じられたままのシャッターが目立っていた。
営業時間外であり、昨今のバイクブームでこのエリアが活況を取り戻せたのかどうか、今は判らない。
車両販売のお店が多いため、実際はバイクに乗っているからといってさほど足繫く通うような場所ではない。しかし80年代バイクブームの頃、当時のバイク仲間達としたり顔、ワケ知り顔で大いに語り合った「マッチャ町バイク通り」、往年の活気を取り戻している事を祈りつつ、今回のナイトクルーズを締めたいと思う。
生國魂神社前参道に戻る。
午前3時はとうに回ったか。
これから宝塚のバイクボックスまで行ってモンキーに乗り換えなければならない。ガッツリ朝帰りだ。
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おっと急停車!
そうそう地元兵庫のホテル「べんきょう部屋」、ちょうど帰り道にあった。
読んで頂き、ありがとうございました。