這い上がる!?

工場労働者の日々の小さな煩悩ブログ

夕陽に向かって走る。

こんばんは!

 

工場労働者である私の職場には、パートで来ておられるご婦人方が沢山いる。

 

ある日の他愛もない会話。

 

「はんぐりーまんさん、お休みの日って、何してるの?」

 

「バイク好きなんで、その辺走り回ってるよ。」

 

「えっ、じゃあ夕陽に向かって走ったりとか・・・。」

 

「しねーよ(笑)。」

 

ツーリング中、夕刻に運悪く西向きに走らざるを得ない場合は多々あるが、まあ好き好んでやるようなモノではない。

 

歳取って視力が衰えてくると、グラサンやスモークシールドでは夜間やトンネル走行で具合が悪い。

そこで、バイザーやファイアマン(バイザー付シールド)を愛用しているのだが、ひとえに、ビルの隙間から、或いはカーブを抜けた途端バシッと顔でも張るかのように差し込んでくる西日対策である。

 

・・・

 

どちくしょぉぉぉぉぉ!!とばかりに(?)夕陽に向かって走る。実際には周りのモノがよく見えず、不快な上に危険な運転シーンなのだが、これまた私の大好物「バイクに乗らない人が我々バイク乗りに抱くクサいイメージ」の一つだ。

 

以前ナイトクルーズで、同様のテーマ「波止場にバイクを停めフッと黄昏れる」、コイツを実践しようと何度か試みたのだが、近年、岸壁に倉庫や港湾施設が建ち並ぶいわゆる「揚場」は、だいたい事業者証を首に下げた者以外の立ち入りが難しくなっている。

 

我々一般人が自由に散策を楽しめる「海辺」は、きちっと安全対策が施された海水浴場や臨海公園に限られるようだ。

 

ワタシ的に、波止場でクサく黄昏れるには、

・岸壁に停めたバイクのスグ横で

上着を肩にかつぎ

・係船柱(係留ロープを引っ掛けるあのT字型の奴)に片足を掛け

・遠い目で沖を眺める

以上の条件は必須、一つでも欠けてはならない。例えば臨海公園で、まず指定の駐輪場にバイクを入れそこから岸壁まで歩く。この時点でもうアウトなのだ。

 

「波止場」がもうダメなら、一般的にこれも割とメジャーな(と思われる)バイク乗りのクサいイメージ「夕陽に向かって走る」、ひとつ試してみようか。

 

・・・

 

まずよく立ち寄るサンシャインワーフ神戸で適当に時間を潰す。

只今時刻15時40分。いい感じに日が西に傾いてきた。

 

このように、夕陽に向かって走るには、まず時刻と場所(当然西に向くルート)をピンポイントで合わせる必要がある。

 

私はただ作文を書き殴るのが楽しくてブログをやっていて、これを周辺の人に告げてはいない。件のパートさんも間違いなくここを見てはいまいが、夕陽に向かって爆走するクサいライダーをキメるのは、なかなかどうして、むしろ大変なのだよ。

 

冬の夕暮れは足早だ。日没まで1時間半程か。2時間は持つまい。今から西へ向かいハーバーランド辺りで日没の夕景でも撮れたら良いが。

 

ではでは、これから沈み行く夕陽を追いかけるウルトラショートツーリングとシャレ込もう。

 

・・・

 

まずはサンシャインワーフ神戸前の開けた湾岸道路を摩耶埠頭まで走る。

地元近辺、東西へ向かうルートの選定は割と楽である。(むろん今回記事限定の)嬉しくなるようなガッツリ西日だ。

 

前のクルマ、信号停車中に何度もフロントウィンドウにウォッシャーを吹きかけている。

正面から西日が当たると、フロントガラスの汚れが気になるんだなー。分かります。

 

今回の下駄、クサい昭和のバイク。

ショボいスマホカメラでも最近の奴は逆光補正フィルターが標準で仕込まれているらしく、ごく普通な感じに写っているが、真正面にギラつく太陽と影の濃さをご覧頂きたい。肉眼では目を開けていられない程の超絶西日である

 

六甲ライナー越しの

西日だ。

 

摩耶埠頭の西日だ。

よーく見ると目の前に船が停泊していた。全てがホワイトアウトする、開けた港の強烈な西日だ。

 

寒い冬だが、日陰に入ると心底ホッとする。

フッと体の緊張が解ける時の、あの心地良い脱力感だ。

 

と、油断した所に奇襲をかけてくる、

ビルに反射する西日だ。

 

我が生活道路、国道2号線の西日だ。

だいぶ日も傾いてきたが、太陽光の強さ自体はまだまだ衰えを見せない。角度が浅くなった分、余計に顔の正面でギラついている。

 

・・・

 

眩しい眩しいと大騒ぎしつつ、神戸ハーバーランド到着。

この先、人もクルマも激混みエリア。料金を支払い駐輪場にバイクを入れ、大人しく歩く。

 

そうそう、「波止場のクサいライダー」キメようとして果たせなかった場所の一つである。

 

ちょうど日没だ。

ここまで来ると、夕景の風情というモノも出てくる。

夏ならば心地良い夜風が吹き始める時間だ。

 

と、このように夕陽に向かって走っても、(当たり前だが)クサくキメる余裕などない。まあ大騒ぎであった。ドライアイのような目のシクシクムズムズも止まらない。

 

どれ、コーヒースタンドにでも寄って、これから包まれる夕闇に目を慣らしてから帰るとしよう。この界隈、その手のお店には事欠かない。

 

おっ!

コンチェルト号(神戸港遊覧船)がディナークルーズに出港して行く。遊覧船とは言え、「出船」という奴、実に旅情があって良いモノだ。

 

・・・

 

今回の西日クルーズ、バイクに乗らないパートさんの「煽り」に乗ってみた形だが、結果的にまあまあ楽しかったな。西日に顔をしかめて走った分、実際この夕暮れの散歩が非常に心地良い。

 

そうか!夕陽に向かって走り、日没を見送った後、この落ち着いた夕景の中でクサくキメたら良いのだな!?

 

まあここハーバーランドは人も多いし駐輪場ももう遥か遠くで今更クサくもキメられないが、夕陽に向かってクサくキメるのではなくクサくキメるがために夕陽に向かって走る、と。

 

などとくだらない事にニヤつきつつ。

 

化粧直しを終えた神戸ポートタワーだ。

読んで頂き、ありがとうございました。