這い上がる!?

工場労働者の日々の小さな煩悩ブログ

ナイトクルーズ24 山。

こんばんは!

 

六甲山である。

 

県道16号、通称六甲縦走道路が尾根を縫うように走り、沿道に各種レジャー施設やホテル、レストラン等が点在し、夜は100万$の夜景が楽しめる、県内有数の観光スポットだ。

 

私は六甲縦走道路にすぐアクセスできる場所に住んでおり、時折この峠道を流して楽しんでいるのだが、夜、神戸の呼び物の一つでもある夜景を見に六甲山に分け入った事は、過去に数える程しかない。

 

理由としてこの六甲山、市街地の真ん中にポコンと立っている印象で地元住民に親しまれているが、実は最高点の標高が1000m弱もあり、地形は急峻。

 

六甲縦走道路も「観光道路」の割にはタイトなコーナーが連続し、かつ森の木々や高低差によってブラインドになっている個所もやたら多く、恐らく走り屋さん的にもかなり難易度の高い峠ではないかと推測される。

 

昼間、バックミラーを小マメに確認してチョイチョイ進路を譲りつつ、例のモンキーフルスロットルで流す分にはとても楽しい道だが、夜、ヘッドライト照射範囲の狭い二輪車でこんなタイトなワインディングの走行が危険である事は言うまでもない。

 

過去、夜の六甲山はいつもクルマで走っていた。

 

そればかりではない。気候も完全に山岳性のものでガスやモヤがかかり易く、せっかく足を運んでも100万$の夜景が拝めるとは限らない。平地で晴れていても、とにかく行ってみないと分からないのだ。

 

しかしながら、地元の夜の表情を鑑賞して回る私のナイトクルーズ、やはり六甲山の夜景は避けては通れぬテーマというもの。いつものオヤジ乗りはやめてしっかりとニーグリップし、そろーりそろり安全運転で行ってみようか。

 

・・・

 

今夜の下駄はコイツ。

ナイトクルーズでは久々に引っ張り出したRP22だ。

 

理由その一、ヘッドライトが明るい。理由その二、ヘッドライトが明るい。以上。理由三、四、五はない。

 

実際のところ、しんどい仕事が終わった後、重量車で夜の峠道を走るとかマジやりたくないのだが、ライトの明るさは今夜の場合ナニモノにも勝るアドバンテージである。一にも二にも、という奴だ。

 

まあ暗い山道でカーブを読み違い、おっとっと!となった時、やはりトルクのあるバイクの方が体勢立て直しは楽、というのもある。

 

これこれ。お天気下り坂のサイン。

このように空全体に薄雲が広がっている場合、この雲はまだ遥か上空の高い所にかかっているのか、はたまたもう低く垂れ込めてしまっているのか、気象予報士でもない我々、夜空を見上げただけでは判別が難しいのだ。

 

しかし遠くに見える山、稜線がクッキリしていて望みはある。突撃してみよう。

 

と、その前に、

行き先が海や山、田舎の場合、ガスの残量に関わらず必ず満タンにしておく必要がある。難儀なバイクだ。

 

・・・

 

逆瀬川沿いを遡って行く。

何やら凄まじい激流急流を連想する名だが、そんな事はない。住宅街を流れる小さなせせらぎだ。

 

六甲縦走道路、ここからスタートだ。

この先暫く、ハイビームでなければとてもじゃないが走れない、街灯一つない真っ暗な山道が続く。気を引き締めて行こう。

 

芦有道路(有料)との分岐点。

私の感覚では、全行程でこの付近が最も急勾配だ。モンキー号なら2速に落とし、ママチャリのようなスピードで坂を上がる。

 

おっ!

これはイケる!早く展望テラスを目指そう。山の天気は変わりやすいのだ。

 

展望テラス到着。がなんと!

現在時刻を見ると、どうやら23時(22時?)で展望テラス公園は「閉店」か。

 

が柵の両サイドの歩道から、徒歩では普通に中に立ち入れるようだ。柵の向こうは明りも落とされ真っ暗だが。

 

しゃーない。

山ん中で迷惑駐輪だ。

 

展望公園入るとスグ右手、英国の城館を模した庭園がある。

残念ながら真っ暗だ。

こちらはこの英国庭園からの眺め。

 

本日の公衆トイレショット。

施錠されている。マッタク不景気だな。便所くらい開けといて下さいよ。

 

営業時間外にやって来てこの言い草である。

 

公園案内板。

この向かって左のレストランに、山肌に張り出したウッドデッキがあり、それが「展望テラス」だ。レストランを利用せずとも自由に立ち入りできる。

 

おっ!

「侵入」できそうだ。アラームなんか鳴ったりしたら大笑いだが。

 

展望テラスからの眺め。

いわゆる「神戸の夜景」だ。

 

単に光の海を楽しみたいのであれば、夏に訪問した大阪ベイエリアの高い橋や建物の方が「光源」も近くよほど迫力がある。しかし砂時計や鉄床に例えられる、かの有名な函館山の夜景がそうであるように、「全景のシェイプ」を楽しむのが夜景の鑑賞ポイントの一つだ。

 

神戸の夜景のウリは、中央の大阪湾に沿ってぐるっと果てまで続く光の帯だ。こちらは竜や蠍、猫といった尻尾の長い動物によく例えられる。山中夜景ビューポイントはいくつかあるが、海と陸のコントラストが最も良く鑑賞できる場所にこの展望公園がしつらえてあるというワケだ。

 

大気が澄んでいる今がベストシーズン。もう少し寒くなると、ガスりまくりの下手したら雪は降るわで夜景の見れない日が多くなる。是非!

 

・・・

 

展望台付近からは街灯も立っていて路面状態も良く、ロービームでのんびりと流せる。

左手に見え隠れする夜景をチラ見しつつ、

ワキ見注意!2~3回センターラインを踏んずけた。

 

沿道で割と人気の観光スポット、牧場前だ。

まあ閉まっている。

 

笑。

牛がビビるのだろうか。確かにワンコとか、牛なんぞ見つけたら猛烈に吠え付きそうだ。

 

さらに西へ進む。

この辻を左折すると程なくして現れる再度公園。非常に閑静で落ち着いた感じの公園で、私のお気に入りだ。是非立ち寄りたい所だが、先の標識を見てみると・・・。

ホワイトベース二宮氏も大嫌い80年代峠族の「置き土産」がこちらにも。

 

当時レプリカにネコ耳メット、緩いRでも無理くりハングオンで膝のカップにわざと傷を入れていた若者達(ちょうど私と同世代だ)、その後どこへ行ったのだろう。

 

「最近のバイクはヤワでつまんない。昔の奴がいい。」

「125ccとかあり得ない。」

「スクーターなんかバイクじゃねえ。」

 

うん、もう一声、もう一声で「大型はいいぞぉ~~。」

必殺のコレ、殺し文句が出そうなんだが、どうだ!?出ないか!?

 

・・・あまり根拠のない邪推はよそう。

 

このSAPA道の駅に出没するとされる排気量マウントおじさん(ちなみに用もないのにショップにたむろし、新規商談客に勝手にマウント取るのが妖怪常連入道ね。出現場所を変えた同種の悪霊と目される。)、某外車屋がやってる免許取得費用補助キャンペーンなんかを利用した、実はバイク歴の浅い御仁との噂もある。

 

まあマウント取って来るオヤジなんぞ何処にでも生息しているという事だろう。

 

またまた80年代の思い出に浸ってしまったが、六甲山そのもののメモリアルパークである再度公園、あまり騒がしい輩の立ち入りはご遠慮頂く方が良いのかも知れない。

 

さてその再度公園前を過ぎると、六甲縦走道路も間もなく終点だ。

周囲の風景もぐっと「里に下りて来た」感がある。

 

国道428号、通称有馬街道

後は神戸の市街地に向け、一気に山道を駆け降りる。

 

先を急ぐ。なぜ?ニコチンが切れてきた。ちょうど山道を下り切り、市街地に入ったその地点に、タバコを吸える場所がある(結局そこかい)。

 

・・・

 

タバコ屋前だ。

まあ普通に「吸える場所」っちゃそうなのだが。

 

例えばコンビニの駐車場に乗り入れ、買物もせずに一服するだけとかどーもバツが悪い。その点この周辺一帯、神戸の中心街では例外的に路駐や迷惑駐輪、路上喫煙や立ち食い等にユルい空気があり、よく立ち寄るのだが、ここはどこだ?

 

タバコ屋の奥に広がる公園。

楠木正成の立派な像がある。愛馬に打ち跨り、キッと浜手を睨む。あの日、この視線の先には軍船で上陸して来た足利尊氏の雲霞の如き大軍が。

 

湊川古戦場跡。「最後の戦い」に臨む男の姿、いつ見ても秀逸なモニュメントである。

 

程近い場所に正成公の忠義武勲を称える湊川神社も鎮座し、大変な史跡でもあるのだが、それとは全く別件で全国的に有名なとある「商店街」が営業しており、それがこの界隈特有のユルい空気のソースの一つとなっている。

 

タバコ屋の一本東の通り。

さらにもう一本東の通り。

神戸の「遊郭」福原歓楽街だ。江戸吉原同様、現在「お風呂屋さん」へと進化している。

 

夜に山道や田舎道を走り、道中の写真を収めても、どれも似たような画像にしかならず、「撮れ高」は少なくなる。締め(オマケ)としてこの福原でも散策しようと思ったのだが、ちょっとヤバいな。

 

(参考記事)

hungryman888.hatenablog.com

 

以前大阪の飛田を訪問した際は、念には念を入れ、最終の客を送り出し、明日への「仕込み」も終了する午前2時前後の現地到着で予定を立てた。

 

しかし今日は若干それより時間が早く、まだ「送り」のクルマが散っていない。あまり盛大にスマホカメラをバシャバシャやる訳には行かないな。

 

そこで!キョロキョロとスキを窺いつつ、120分コースで諭吉数枚からブッ飛ばすお店を代表して。

特にこちら名前の通った老舗。

まあ私も含め多くの男共は単に屋号を知っているだけで暖簾をくぐった事はないのだが。

 

で、トリを務めて頂くのはこのお店。

2~3年前、知り合いの子がこのお店で看板しょっていた。「藤田」という源氏名だった。

 

仮に激安大衆店だったら私もフンパツし、一度本指名で顔見に行ってやらんでもなかったが、工場労働者の薄給でこのクラスのお店などとてもとても・・・。

 

そんなほろ苦ホッコリな思い出に苦笑しつつ、そろそろ引き上げるとしようか。

読んで頂き、ありがとうございました。