這い上がる!?

工場労働者の日々の小さな煩悩ブログ

ならしクルーズ2 鬼神の祠。

こんばんは!

 

今回も神社ネタ。苦手な方はスルーで。

 

前回記事で訪れた洛北鞍馬は貴船神社今回はその「続編」、ではないな。「参考記事」のような形になるであろうか。

 

「帰命頂礼貴船大明神、我を生きながら鬼神に成してたび給え。妬しと思ひつる女取り殺さん。」

 

「誠に申す所不便なり。実に鬼になりたくば、姿を改めて宇治の河瀬に行きて三七間漬れ。」

 

平家物語異本・剣巻に登場する、丑の刻参りのモデルとされる「宇治の橋姫」だ。しかし橋姫が生きながら鬼と成るべく呪法を執り行ったのは遥か南の宇治川であり、貴船神社を「丑の刻参り発祥の地」とするのは、まあ当たらずしも遠からずといった所であろう。

 

下手したらマイナスイメージにもなりかねないこの話、当の貴船神社では特に否定もしていない事から、神秘的なイメージで鳴らす当社、橋姫のエピソードもまんざらでもないのかも知れない。

 

ならば私の大好きなお社の名を全国に轟かす重要なキャラ、拝みに行くのも一興である。あるのだ、橋姫を祀るその名もズバリ「橋姫神社」。場所は景勝地宇治川橋のたもと。現在はこの宇治川橋の「守」として静かに佇んでいる。

 

嫉妬に狂い、生きながら鬼と化す事を望んだこの伝説の姫君のご利益、

 

縁切り。以上。

 

これまた私好みのド直球ぶりである。

 

当然カップルでの参拝はタブーとされ、参拝せずとも神社の前を通りかかっただけで呪いを受けると言われる程、その縁切りパワーは絶大なモノ。前回全国屈指のパワースポットを訪れ、今回はこれまた全国屈指のネガティブパワースポットという訳だ。

 

そもそも仲睦まじいカップルが縁切り神社を参拝するなど辻褄の合わない話である。要は遊び半分、物見遊山で訪れるようなお社ではないという事。

 

私の場合は・・・そうだな。会社の直の上司との折り合いが非常に悪く、まんざら「縁切り」に需要が無くはない。け、決して物見遊山で行く訳ではないぞ。

 

とまあ若干緊張しつつ、

お供え用に購入した灘の銘酒だ。

 

地元兵庫南東部、日本酒の名産地の一つで、全国的に名の通ったブランド、蔵元が多数存在しているが、ポン酒好きの知人曰く、「通は剣菱一択やろ。」コレ推しなのである。

 

さて、お気に召して頂けるであろうか。

 

・・・

 

今回の参拝に「ならしクルーズ」を選んだ理由だが、この橋姫神社、拝観時間が9時~17時と役所の窓口の如く、なのである。

 

もっともお社の性質が性質なので、例えば伏見大社のように24時間オープンともなれば、深夜肝試し客が殺到し付近一帯騒然となるであろう。この拝観時間、賢明と言えば賢明なのかも知れない。

 

とにかく開門時刻が決まっている以上、高速道路を利用し効率良く移動する必要は全くない。ならし中の車両でチンタラ一般道を走り、同時に距離も稼ぐのが良い。さすがに原チャリだと宇治は遠過ぎるしなあ。

 

・・・

 

午前4時を少し回った所。夏至のシーズンだけあってもう明るくなってきているが、さすがに付近はまだ寝静まっているようだ。

この状況でカマシイ旧車を始動させるとなると、やはり一工夫必要となる

 

で、100m程離れたコンビニの駐車場まで気合いで押す。

極めてシンプルな「工夫」だ。

 

国道171号へ出る。

「シバラクミチナリデス。」沿道の様子など2、3織り交ぜつつ。

 

池田市ダイハツ本社前。

私も含めダイハツ乗りの聖地!・・・でもないか。ただ町名もズバリダイハツ町だ。

 

箕面市、南海部品箕面店だ。

この辺の南海部品さんでは1、2を争う大型店。この通りバイクガレージも常設展示できる程。

 

トイレ一服と「目の保養」に良く立ち寄るが、そこはホムセンライダーはんぐりーまん、たまにレジに持って行くのはワゴンセール品のみだ。

 

特別枠だ。冒頭触れた仲の悪い上司、この町に住んでいる。

このいかにもどんよりとした空模様、いいねえいいねえ!縁切り鬼神が待っているぞ!他の茨木市民の皆様、ゴメン。

 

大阪府島本町

ここを抜けると京都府大山崎町、となる。

 

その県(府)境付近。

道路の向こうのこんもりしている所、桂川宇治川、木津川の淀川水系三河川がこの辺りで合流している。背割堤という景勝地もある広大な河川敷公園だ。

 

大山崎町で国道171号を離れ、国道478号宇治方面へ。

いい道だ。

並走する高架道路は京滋バイパス

 

ローカル道路に入る。

国道478号をそのまま直進しても良いのだが、この道路、確か目指す宇治川橋に直接通じている筈だ。

 

この「おぼろげな記憶」を頼りに進む、これをやるとだいたい道に迷うのがデフォだ(ツーリングあるある)。

 

案の定、宇治市内に入って少し迷ったが、まあならし中の車両の走行距離を稼ぐのも目的の一つだ。帰りも案内表示を見ながら当てずっぽうで走り、大いに迷ってやろう。

 

という事で、宇治川橋到着。

めっちゃ増水している。

さて、お目当ての橋姫神社、ここから徒歩1~2分程度なのだが、早く着き過ぎたようだ。

開門時刻まで付近を散策するとしよう。

 

かの「10円玉」平等院もこの宇治川橋のたもとにある。こちらもまだ開門前だが、門前町だ。

この門前町を抜けると、

正門前の庭園に出る。

 

おっ!

この辺り一帯、著名な景勝地であり、撤収するまでタバコ我慢を想定していたのだが、これは有難い。庭園よりコッチかい!

 

河川敷を散策してみよう。

宇治川橋の少し上流に、橘島、搭の島という大きな中洲があり、中洲を経由し、二本の歩道橋で対岸と繋がっている。

 

中洲から西岸を望む。

料亭と鵜飼の観光船が並んでいる。

 

おっ!

真っ黒い鳥というイメージがあったのだが、羽にグリーンの光沢があり、なかなか男前である。人慣れしていて鳥舎に近付いても全く騒がなかったので、接写にチャレンジしてみたがその羽色、上手く写らなかった。

 

ちなみにこの看板の通り、鵜飼で使われるのは川鵜ではなく海鵜らしい。興味深い話だ。

 

中洲突端から上流を眺める。

良い景色だ。何やらアワードを取ったらしい記念碑と共にパチリ。

 

ご当地自販機。

さすがお茶処、壮観である。

 

・・・

 

おや?

到着時は門扉が閉まっていたが、周辺を散策し戻って見ると、開門している。時刻はまだ7時半を少し回ったあたりだ。

 

いずれにせよ、これは非常に有難い。実は先程の歩道の時計台の下に迷惑駐輪をしている。

著名な景勝地、しかも週末だ。午前9時を回る頃には、この一帯観光客でごった返すであろう。その前に参拝を済ませ、知らん顔で撤収できる!

 

ではでは、白木のシンプルな鳥居の前で一礼し、いよいよ鬼神・橋姫に参拝しよう。

ひっそりとした、小さなお社だ。

 

二つの祠が並んで祀られているが、向かって右は水運を司る「住吉社」。ご縁という事でまずこちらに一通りの参拝を済ませる。

 

境内に立つ案内板。

源氏物語では、橋姫は鬼神として描かれてはいない。そもそもこのお社、清流の女神、瀬織津姫を祀っているものとも聞く。橋姫と瀬織津姫、どのように習合、同一視されているのかその辺りは不勉強なのだが、「様々な顔」を持っているようだ。

 

今日私は貴船神社に由緒のある鬼神にお参りに来たのであるから、ここは鬼神の祠で間違いはないのだ。

 

ではいよいよ、お供えを開栓して、

参拝しよう。

大した迫力だ。

 

ちなみにだが、本殿や祠を真正面から撮影するのは、やはり欠礼行為に当たるという。いつも訪ねているお社なら、多少お目こぼしも頂けるかも知れないが、やはりこちらは気を付けた方が良さそうだ。

 

という事で、若干正面を外して、

橋姫様だ。

 

生きながら鬼と化す事を望み、「満願成就」の思い出の地に静かに佇む。千年もの永きに、さて何を思うのか。

 

神社ファンはんぐりーまんの所感として、祠周辺は綺麗に掃き清められていて、紙垂も神具類もパリパリのピカピカ。良く手入れがなされているような感じだった。となると一方でこの固く鎧戸を閉ざした社務所に草ぼうぼうで荒れた感じの境内、ひょっとしてコレ「演出」か!?と勘繰りたくなるような、なかなか個性的で面白いお社である。

 

で、これだ。

ふむ。「子供が描いたような絵」、鬼神をマスコット化するにはそれがベターであろう。

 

これ一つ欲しくてタマランのだが、何でも社務所が開いているのが月、水、金曜のしかも不定期。土日休みの私にとってはなかなか入手困難な逸品のようである。

 

お札やお守りはないが、ご朱印は頂けるとの事。社務所が開いていれば、だが。私はご朱印集めはやっていないが、もしタイミング良く頂けたなら、相当なレア物と言えるであろう。

 

この橋姫だが、橋の守り神としては意外とメジャーな神様で、たもとに橋姫を祀る橋、他に滋賀の瀬田の唐橋や大阪の長柄橋等が有名だが、「カップルで渡ると別れる」というジンクスのある橋、それ以外にも多いような気がする。橋姫様が守っておられる橋なのかも知れない。

 

景勝宇治川橋。再訪する日も遠からず巡って来るであろう。むろんその折には、この女神様のお社、忘れずに参拝するつもりだ。

 

・・・

 

ガス欠だ。

(使えなくはない程度に)壊れていた燃料コックも新調したのだが、レバーの位置を把握しておらず、ずっとリザーブで走っていたようだ。

 

信号二つ程先にGSがあるので、別にどうという事もないのだが、今回のクルーズ、押し歩きに始まり押し歩きに終わったな。

 

読んで頂き、ありがとうございました。