這い上がる!?

工場労働者の日々の小さな煩悩ブログ

空冷四発。

こんばんは!

 

急激に冷え込みがキツくなり、最近ブログ更新(ナイトクルーズ)をサボっている。

 

私の冬のライディングウェア、ホムセンドカジャンはもう引っ張り出した。

が、どーもこう夏→冬の移ろいが早すぎて気分が追い付かない。

 

過去に何度か記事にしているので今回は取り上げないが、今朝、とりあえず月イチの未明クルーズ、伏見大社参拝には出かけてきた。

 

未明の澄んだ空気と綺麗にライトアップされた境内、とても好きな時間空間なのだが、それ以上に相手はお稲荷さんの大将である。一度参拝したら二度三度と通わなければわれるような気がして、どれだけ寒かろうが暑かろうが、これだけは毎月欠かさず行っている。

 

まあ年齢から来る出不精防止には、呪い祟りに追い立てられるのも悪くはない。割とwinwinなのだ。

 

で、京都まで足をのばしたついでに・・・という所までは当然至らず、参拝が済むや寒い寒いと喚き散らしつつそのままトンボ返り。後は炬燵で丸くなりつつ自分勝手なバイク談義である。

 

・・・

 

タイトル通り、今朝の下駄は旧車ST。

この未明クルーズでちょっとした節目を迎えた。

 

走行70000kmどやっ!

 

とは言え約67000km走行した時点で一度死んだ車両である。不動車(と言うか粗大ゴミ)の状態で購入し、その後O/H中のテストランも含めての走行距離が約3000kmと、この数字、全くインチキなのだが、それでも普段原付小型で街乗りばかりの私が所有したバイクの中で、このトリップメーターの数字は圧倒的最長不倒距離である。

 

車齢43歳。

ゼファーやXJR、空冷CBといったその後の「進化した」空冷四気筒が果たしてどんなフィーリングなのか、乗った事がないので分からない。が、2バルブでロングストローク、アクセルを捻ると、「ズオッ!」とこう少し遅れ気味にトルクで立ち上がって来る「あの頃の」空冷四発である。

 

カワサキのZ系を購入したのはこれで二度目なのだが、この車両に乗ると、若い頃に所有していたJ型より、なぜかCBXを思い出す。

 

旧車を扱うショップを冷やかす。ホンダCBX400F。おお~、ええ値段付けとるやんけ、と近づく。

 

「あれ?このバイク、乗った事あるぞ?」はて。昔知り合いでも乗ってたかな?

 

いや違う。そうだ、中免(普通二輪)取った時の教習車だ!懐かしさで頬が緩む。

 

今やボッタクリ通り越してアングリ価格のCBX。あの時、私も含め初めてバイクに触る教習生共によってたかってコカされまくっていたなあ。

 

ゼイタクな話である。つくづく、バイクに限ってはいい時代に生まれたモノだ。

 

メカノイズのハーモニーが加わる排気音。振動。そして乗り味たるや、とことんモッサリマッタリ。同じ四気筒車でも、例えばRP22のような、時に扱いにくさを感じるような爆発的なパワーはではない。混んだ街中の運転も充分受け付ける乗り易さだ。

 

個人的に、オートバイ「らしい」フィーリングでは四気筒車よりツインやシングルに軍配が上がると思う。がしかし、我々オジサンライダーの誰もが、大なり小なり皆通って行った共有する「若かりし頃の思い出」、それが空冷四発。オジサンのスタンダードなのだ。

 

・・・

 

腰痛と五十肩でキックスタートが困難になり、20年以上楽しんだショベルヘッドを手放し、そして回帰したこの「オジサンのスタンダード」なのだが、最近のモデルに全く興味がないかというと、そんな事はない。

 

が、最近の新車ラインナップを見ても、我々オジサンライダーはなかなか財布の紐が緩まない大きな理由があるのだ。今回その辺の愚痴を少し書いてみる。空冷四発の話なんてただの「前振り」である。

 

ヤマハXSR125国内市場導入決定!」・・・おっ!ええなコレ。

 

さて気になるお値段は・・・お、おう。

 

もうこれ以上書かなくてもお察し頂けるかと思うが、ライバルと目されるホンダCB125Rがほんの少しだけ遠慮がちなのに対し、そうかそうか、諸費用抜きの素の本体価格で、いよいよ50の大台乗せてきたか。

 

オジサンライダーの感覚ではこれ、完全に中型バイクの値段である。私がバイクに乗り始めた頃、SR400の希望価格が¥399000であった。250ccに至っては、ショップ値引きで20万円台なんてモデルもザラにあった。

 

高杉。

 

では当時のモデルに比べ完全に1クラス2クラス上の金額を払い、その分の元が取れる程のモノなのかどうか。

 

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とかくこの話題になると、必ず湧いて出る「欧米諸国ではこれが各クラスのオートバイ1台の妥当な値段。」というご意見。

 

あのな。我が国はSRが40万弱で売られていた時代から労働者の給料がサッパリ上がっていないのだ。そこへ現在の欧米の物価水準を持ち込むのはナンセンス。欺瞞、屁理屈以外の何物でもない。欧米の話は欧米でしてくれ。

 

ではなぜこれほどバイクが値上がりしたのか。一つ明らかな原因としては消費税。電卓を持ち出し、各モデルのメーカー希望価格に九掛けをしていくと「あ、なるほどな。」となる。安い買物ではないが故、10%増しというのは地味にデカいなと思い知る。

 

しかし九掛けでもまだ高い。

 

ここから先は、見聞きした話に基いた私の推測に過ぎないのだが、世界一厳しいとされる我が国の排ガス規制、それをクリアするためのコスト。独断と偏見で原因はこれとめつける。

 

規制をクリアするに当っての研究開発費の上乗せ分は無論、一つ分かり易い物を挙げると、排ガス浄化装置の触媒コア、これの原料の一つとして、銀だかプラチナだか貴金属が必要不可欠と聞く。排ガス浄化装置とはそれ自体ダンピングの利かない非常に高額な部品なのだ。

 

加えて「騒音」の方もクリアすべく、あの戦隊ヒーローのバイクのような巨大なサイレンサーだ。騒音排ガス規制をクリアするためだけ何やら高額なモノがバイクにベチャッと貼り付き、そっくりその分の値段が上乗せされている。

 

こんなイメージだ。

 

・・・

 

私はエコロジストではない。近年の四輪車に対するグリーン税制に怒りクルマ道楽をやめた、その恨みが未だ冷めやらぬ。但し「我々の住む環境を守るため応分の負担を。」これが理解できないほど愚か者ではないつもりだ。

 

が、たかだか10年やそこら「普通に」使用しただけで、内燃機関の性能などさほど劣化する物ではない。にも関わらず、登録から一定期間を過ぎた車両に一律問答無用で重課税を喰らわす。

 

一方で、車重2t半、一見して(ハイブリッド車でもない限り)ガソリン1ℓで数kmも走らないような巨大3ナンバーミニバンがエコカーシールを貼り付けていたりする。

 

問題は、これが一体どんな基準なのか、どのような計算に基づくモノなのか、納得できる説明がなされていない事だ。少なくとも私個人では、今の今に至るまで一切見聞きはしていない。

 

よって、この「エコロジー」に付き纏う商売臭利権臭が消え失せない限り、新たに二輪にも適用された排ガス規制について、「環境」ではなく「(理不尽な)規制」と呼ぶ。

 

・・・

 

再び、午前3時名神吹田SAでのショット。

シュッとしたカッチョええマフラーだ。

 

実は純正マフラーが経年破損(腐食穴だらけ)で車検を通せなかったというあまりカッチョ良くない事情もあるのだが、ステーを加工したZ1用のショート管だ。

 

ボロボロで使えない純正マフラーなど当然ながらゴミ箱行き。この見るからにヤンチャな「政府認証?何それ」マフラーで車検を取った。規制や車検を気にせずカスタムを楽しめる。旧車の楽しみの一つだ。

 

値段も安い。ステーの材料費と加工工賃は別だが、お値段10万チョイ。当たり前だ。曲げた鉄パイプの出口にコアバッフルを仕込んだだけの物。今時の貴金属入り純正認証マフラーのように高価であろう理由もない。

 

所詮ただの「排気管」である。マフラーなんて飾り気なく、無駄に存在感を主張しない奴の方がカッコ良い。個人的にそう思う一方で、実はガッツリ今風の豪華貴金属入り巨大高額マフラーも「所有」している。

 

コイツだ。まだ市場投入前のXSR125の代わりに登場してもらおう。

このRP22のバカでっかい4本出しサイレンサーの上側の排気口、モロにサドルバッグの方を向いており、小一時間も走ると中の荷物がホッカホカである。

 

もう少しサイレンサーの跳ね上げ角の小さな物に変更したい所だが、RP22用の社外マフラー、ちゃんとした物だとスリップオンで20万円とかマジあり得ない。非常に困っている。非認証マフラーならばいちいち車検ごとのノーマル戻しも必要だ。

 

規制範囲内であってもカスタムの性質や度合いによってはECUの書き換えやデバイスの再セッティングが必要になり、実にメンドクサイ。ワイルドでイカツいイメージのRP22だが、一方で「規制でがんじがらめの現代のバイク」なのだ。

 

・・・

 

少し話が逸れたが、バイクが値上がりした理由。まず「税金」そして「規制」、あとは生産コスト等年次の物価上昇分といった所か。つまり値上げ分の金額に、我々消費者が対価として受け取れるモノなど何一つ含まれていないのだ。

 

最近の新車に対して財布の紐が緩まない理由がコレ。

 

目下「あの時以来」のバイクブーム。その中核を成す若い子たち。彼らはバイクを楽しむにあたり法外に高い金額を支払っている。決して上から目線ではなく、それが気の毒で仕方がない。

 

さらにこの新車のトンデモ割高感とリンクするような(無関係ではあるまい?)中古車相場の暴騰である。

 

記事前半で旧車の面白さに少し触れたが、だからと言ってなんちゃらオジサンのように、「旧車はいいぞぉ~。」などとても言えた状態ではない。

 

・・・

 

ブームが一瞬でクラッシュダウンするようなゆがみひずみが確実に存在している。

 

業界も、さあボーナスステージとばかりにあぶく銭を搔き集める事ばかりに血道を上げず、長いスパンでのユーザーを育てる事を少しは考えるべきだ。

 

特にこんなタイミングで、周囲をあっと言わせるようなシンプルかつ安価なモデルを発表してきた鈴木さん、期待しております。

 

ジクサー150、いい線である。もう一声、あの「チョイノリ」の衝撃を。

 

読んで頂き、ありがとうございました。